誰かの記事を読んで、自分が止まっていた理由を知った
Stripeから「Webhookが10日前から失敗しています」というメールが届いて、Mintorのサーバーが12日間ずっと壊れていたことが分かりました。
直すこと自体は、技術的な作業でした。
Stripeで鍵を再発行して、Cloud Runの環境変数を書き換えて、Stripeで再送ボタンを押す。
HTTP 200を確認して、復旧完了。
そこまではよかったのです。
念のためにDBを見たら、Mintorに登録している9人全員が「設定途中」のままでした。
私を含めて。
その瞬間に、別のことに気付きました。

動かないのは私でした
私はずっと「いつか時間ができたらやろう」と思って、Mintorの収益受け取り設定をやらないままにしていました。
理由は、設定したときに何が表示されるか分からなかったこと。
登録した情報が、どこかでそのまま表に出てしまうんじゃないか。
Mintor内の表示が変わってしまうんじゃないか。
レシートに何かが出てしまうんじゃないか。
確かめれば数分で分かることだったけれど、調べることもしていませんでした。
「やろうと思えばできる」状態のまま、ずっと止まっていたのです。
Mintorを作っている自分でさえ、自分のプロダクトの設定を完了できていない。
それを、12日間気付かなかった。

他の人の記事に、答えがありました
ふと、最近Mintorに投稿された記事を思い出しました。
新規ユーザーのむみまさんが「Stripeの設定で詰まった話」を書いていた、あの記事です。
開いて読み直してみました。
書かれていたのは、私とは違う3つの理由でした。
「全体像が見えない」「ドキュメントがない」「次へを押すと新規取得画面っぽい」。
私が止まっていた理由は書かれていませんでした。
でも、止まっているという状態だけは、ぴったり同じでした。
そして、書かれていない理由で止まっている人もいるはずだ、と思いました。
私のように、表示まわりの不安で動けない人。
住所登録に抵抗がある人。
本人確認書類のアップロードに身構えてしまう人。
それぞれの「止まる理由」を、Mintorは一つも説明していなかったのです。

見える場所に、答えを置きました
Stripeの仕様を改めて調べました。
登録した情報は Stripe の中だけで使われる。
Mintor 上の表示は変わらない。
購入者のカード明細には「MINTOR」とだけ表示される。
設定したことで何かが表に出るわけではない。
それを、見える場所に書きました。
設定ボタンの上に、黄色いボックスを置きました。
「Mintor 上の表示は変わりません」と。
その下に青いボックスを置きました。
「すでにStripeアカウントをお持ちの方は、次の画面でログインできます」と。
書きながら、これを最初から書いておけばよかった、と思いました。
私が止まっていた理由を、私自身が説明していなかった。
当事者なのに、見えていなかったのです。

自分のことを、他の人で知る
不思議なことに、私の引っかかりは、私が一人で考えていた時には何も解決しませんでした。
「いつか時間ができたらやろう」のまま、何ヶ月も置きっぱなしになっていた。
それが、自分とはまったく違う理由で止まっている人の記事を読んだ瞬間に、見えてきました。
「あ、私は表示まわりで止まっていたんだ」と。
止まっている理由は人それぞれです。
むみまさんは「全体像が見えない」で止まっていた。
私は「表示まわり」で止まっていた。
他の8人にも、それぞれの理由があるはずです。
でも、誰かが「自分はこれで止まっている」と書くことで、別の人が「自分の止まっている理由」を見つけられる。
そういう連鎖が起きる場所として、Mintorを作りたい、と改めて思いました。

気付かせてくれたのは、誰だったか
最初に気付かせてくれたのは、Stripeのメールでした。
次に気付かせてくれたのは、むみまさんの記事でした。
私の引っかかりとは違う詰まりを書いていた人の記事を読んで、私の引っかかりが見えてきた。
人が動けなくなる理由は、それぞれ違います。
だから、自分の理由は自分で書ける。
誰かが書いた「動けない理由」は、それを読んだ別の人の「動けない理由」を引き出すきっかけになる。
書き手が読者に答えをあげているわけじゃない。
書き手の率直さが、読者を自分の中に潜らせる。
そういう循環の中にいたい、と思った日でした。
これからMintorで設定を完了する人が増えていくと、また別の「止まる理由」を書いてくれる人がいるかもしれません。
その記事を読んで、また別の誰かが自分の止まりを見つける。
その連鎖を、待ちたい。
そして、私自身も止まったら、それを書きたい。

