「全部を同時に」やろうとして、何も進まなかった夜の話
夜中、画面の前で「何も進まない」と思っていました。
やりたいことが、いくつもあるんです。
YouTube で動画を出したい。
Udemy で講座を作りたい。
note の有料記事も挑戦したい。
IP を育てようとしている。
動くアバターを作るアプリも自作中。
Chrome 拡張は 7 個。
Mintor、petapeta、Mimico。
それぞれが進行中で、それぞれが「あと一歩」のところで止まっています。
頭の中でいつも、たくさんのプロジェクトが同時に騒いでいる感じがしていました。
「やりたいことがありすぎて、全部やろうとして、何も進まない」。
そう思いながら、Claude Code に話しかけてみたんです。
32 個のプロジェクトを、いっぺんに見渡してみる

Claude Code に頼んだのは、Projects フォルダの全プロジェクトの棚卸しでした。
最終コミット日、開いている Issue 数、進捗、次の最小 1 歩。
それを 1 枚のテーブルにまとめてもらいました。
数えてみたら、抱えていたプロジェクトは 32 個ありました。
「やっぱり多すぎる」と思いました。
でも、テーブルをよく見ると、別のことが分かってきたんです。
直近 1 ヶ月以内にコミットしているプロジェクトが、合わせて 13 個。
完全に止まっているのは 3 個だけ。
「全部中途半端」と感じていた頭の中と、実際の状態は、だいぶ違っていました。
中途半端じゃなかったんです。
動いていたんです。
動いていたのに、頭の中で「足りない」「進まない」と感じていただけでした。
「全部、私の目標じゃない」

棚卸しの前日に、Claude Code に YouTube の市場調査を頼んでいました。
並列のエージェントで合計 7 本のレポートを書いてもらった。
そこに「戦略示唆」として並んでいたのは、こんな数字たちでした。
年商 1,000 万円ラインで法人化。
登録者 1 万人で法人研修パッケージ。
書籍化は登録者 3-5 万人。
メルマガ早期立ち上げ。
読み返して、「これ、全部、私の目標じゃない」と思いました。
行けると思っていない数字を並べられても、重荷にしかならないんです。
Claude Code に伝えたら、素直に認めました。
「業界トッププレーヤーの軌跡をユーザーの目標として書いてしまった、AI の暴走」と。
私は、AI が書いてくれた「あるべき姿」を、いつの間にか「私の目標」として頭の中に抱え込んでいました。
自分のサイズじゃない目標を、知らないうちに背負わされていたんです。
この日、その重荷をひとつずつ降ろしていく作業をしました。
「年商 1,000 万円で法人化」は、私の方針じゃない。
私は個人事業主のままでいい。
本名や住所の公開は、子どもがいる以上、絶対に避けたい。
DUNS Number は、必要になったタイミングで取れば十分。
Claude Code のメモリに、この方針を全部記録しました。
「次回からこの鋳型で書かないでね」と。
AI の進化に、ついていけるわけがなかった

戦略の鋳型を降ろしただけじゃ、私の頭はまだ重かったんです。
新しい画像生成 AI が出たと話題になっていました。
動画生成も次々と新しいものが出てきます。
どれに課金するか、どれを試すか、比較検討する候補がいつも頭の中にあって、どれも決めきれずに何もできていない自分がいました。
「気が急いているのかもしれません」
Claude Code に話している途中で、自分でそう気づいたんです。
私は一人で、時間も限られています。
子どもがいて、個人事業主として日々の仕事もあって、開発もしている。
次々出てくる AI を、全部試せるわけがないんです。
「全部についていきたい」と思っていただけで、現実的にできるわけじゃなかった。
たとえば今、IP のキャラ画像を作りたいなら、用途に一番合いそうなものを 1 ヶ月だけ試せばいい。
動画生成は、必要になったタイミングで検討すればいい。
3 つのサービスを同時に契約して比較する必要も、完璧な比較表を作る必要もありませんでした。
AI に追いつこうとするのは、業界の煽りに乗っているのと同じ。
私が判断するのは、自分の道具に取り込めるかどうかだけでよかったんです。
「全部やる」じゃなくて、「全部を同時に」が問題だった

頭が少し軽くなってきた頃、Claude Code がぽつりと言いました。
「『全部やろうとする』が問題じゃないですよ。
『全部を同時にやろうとする』が問題なんです」
その言葉が、すっと入ってきました。
私は記事を 1,642 本書いています。
note が 369 本、tech が 436 本、blog が 837 本。
これらを、毎日同時に全部書いたわけじゃありません。
1 日 1 本ずつ、4 〜 5 年かけて積み上げてきた結果でした。
動画も同じだろうな、と思いました。
Udemy も、YouTube も、note 有料記事も、IP の展開も、全部やる予定でいいんです。
ただ、同時にではなく、順番に。
「全部やろうとする」は問題じゃなかった。
「全部を同時にやろうとする」が問題でした。
抱えたまま動かなかったものが、動き出した

その夜、抱えていた未決断の案件のうち、一番億劫だった Chrome Web Store の開発者アカウントの問題も、動かしてみました。
個人の電話番号で SMS 認証していたものを、サブの番号に変えたかったんです。
何度も問い合わせて、何度も「アカウント作り直して」と言われて、何度も書類不備で戻ってきていた案件でした。
組織アカウントへの切り替え画面で、確定申告後に税務署から送られてきたはがきを公的書類として、バーチャルオフィスの契約書を住所証明として、アップロードしてみました。
通りました。
電話番号もサブの番号で SMS 認証ができました。
ずっと進まなかったやつが、税務署のはがきで通ったんです。
頭が整理されると、「動かない」と思っていた案件が、急に動かせるようになる。
これは新しい発見でした。
順番に積めば、進む

その夜の終わりに思ったのは、「やりたいことが多すぎる」のは悪いことじゃないということでした。
アイデアが浮かび続けるのは、私の資産です。
問題は、それを頭の中で同時に回そうとしていただけ。
倉庫に書いて寝かせて、順番に取り出せばいい。
1,642 本の記事も、煩悩ガールズの 108 体も、Mintor も、Mimico も、ひとつずつなら積み上げられる。
明日は明日、今日は今日、今は今、と思えるようになるまで、もう少しかかるかもしれません。
それでもこの夜、頭の重さが少しだけ減ったのは確かでした。

