「同じ内容に見えるけど違う」と思った夜 — 不安症の自分とコードで折り合いをつける
夜中の作業中、ふと自分のサービスを開いて記事一覧を眺めていたら、写真が同じカードがいくつか並んでいました。
「あれ、これ重複してる?」
その瞬間、画面を見つめたまま、しばらく動けませんでした。
一晩で 195 本の記事を一括投稿した直後だったので、もしどこかで重複してしまっていたら、それを一つひとつ削除する作業が待っているということです。
もう深夜になっていました。
「気がする」では動かないことにしている

私は、たぶん不安症の傾向があります。
ちょっとした違和感を放置できないし、一度気になり始めたら確かめないと眠れません。
これは長所でもあるけれど、自分を消耗させやすい性質でもあると思います。
だから、「気がする」だけでは動かないようにしています。
「重複してる気がする」と思ったら、まず SQL で確認します。
データベースに直接聞いて、「実際に何件あるか」「同じ slug が複数ないか」を表で出してもらう。
その夜も同じでした。
AI に協力してもらって SQL を組み立てて、結果を見ました。
「Success. No rows returned」と返ってきました。
重複は 0 件。
写真が同じに見えたのは、Mintor 側でサムネ画像のデフォルトが共通になっていただけで、記事の中身は全部違いました。
「気がする」と「実際そうだった」は、別物。
ここを混ぜないように、いつも気をつけています。
「OK」だけじゃ落ち着かない

その日は、一括投稿の前に機密チェックもしていました。
API キーやパスワードを誤って記事に含めていないか、grep で検索して洗い出す仕組みは作っていました。
でも、ヒットした文字列を見ても、それが本当に「実値」なのか「プレースホルダー」なのか、ぱっと判断できないことがあります。
たとえば「sk_live_xxxx」みたいな文字列。
これは Stripe の実際のキーではなく、「ここに値が入る」というプレースホルダー。
でも、grep のパターンには引っかかります。
そのときも AI に聞きました。
「これ、安全?」
返ってきたのが「OK」だけだと、落ち着きません。
なぜ OK なのか。
何の理由で大丈夫と言い切れるのか。
他人がこれを見たら何が起きるのか。
そこまで説明してもらって、ようやく公開ボタンを押せます。
「気休めの大丈夫」はいらないと、AI には伝えてあります。
「これこれの理由で大丈夫」を、表にして並べてほしい、と。
不安症は、消そうとせず付き合う

昔は、自分のこの性質が嫌でした。
でも、今は、不安症の自分のおかげで助かっていることがいくつもあります。
一つの違和感を見逃さない。
納得するまで確かめる。
だから、コードのバグも、表示の崩れも、データの食い違いも、気づきやすい。
問題は、不安症そのものではなく、不安に飲み込まれて動けなくなることでした。
「気がする」で止まらず、確かめる手段に変える。
「OK」で済ませず、理由を並べる手段に変える。
そうすることで、不安は「困った性格」から「精度の高い検出器」に変わります。
「同じに見えるけど違う」を、コードに教えてもらった

その夜、SQL の結果を見て、ふと思いました。
「同じに見えるけど違う」は、画面の話だけじゃない。
人だって、行動だって、選択だって、外から見ると同じに見えることがある。
でも、中身は違う。
一括投稿という結果だけ見ると「機械的に流し込んだ」ように見えるかもしれない。
でも、その裏には、1 本ずつ機密を確認して、AI に理由を聞いて、表示を一つひとつ直して、不安と折り合いをつけながら進めた時間があります。
似ているけれど、違う。
ぱっと見では分からないけれど、違う。
その「違い」を、自分で見逃さないでいたいと思いました。
朝の海を見ながら

気づくと朝になっていて、ようやく作業が一段落しました。
カーテンを開けました。
潮位が低くなっていました。
子どもが起きる前の、静かな時間。
「気がする」で動かなくてよかった、と思いました。
SQL で確かめて、AI に理由を聞いて、ちゃんと確かめてから公開した記事は、いまも Mintor の中で読める形で残っています。
不安症のおかげで、私は雑にコードを書けません。
それは多分、これからも変わらないと思います。
でも、そのおかげで、ちゃんと残るものが作れているのも、本当だと思いました。

