自動化・AI開発

「見えない文字」に気づけるかどうか

Kanae

深夜に、自分で作ったChrome拡張を触っていました。

Google Tasksにダークテーマを適用する拡張です。
背景を暗くして、文字を白くして、いい感じにしていたつもりでした。
でも、メニューを開いた瞬間に気づいたんです。

文字が、見えない。

暗い背景に、暗い文字。
そりゃ読めない。
Googleが「この文字は黒」と決め打ちしていたから、背景だけ変えても文字は黒いまま。

些細の積み重ねが、使いたくなるかを決める

些細の積み重ねが、使いたくなるかを決める

こういうのって、使ってみないとわからないんです。

コードを書いている時は「テーマ切り替え、できた!」で満足してしまう。
でも実際に使ってみると、メニューが読めない。
チェックマークが見えない。
ホバーしても反応がわからない。
無効なボタンと有効なボタンの区別がつかない。

ひとつ直すと、次が見えてくる。
その繰り返しでした。

今回は期限設定の機能も追加しました。
カレンダーで日付を選んで、時間も指定できるようにして。
アイコンをSVGで描いて、チップのデザインを調整して。

最初は絵文字のアイコンにしていました。
でも、なんだかしっくりこなくて。
「さっきのSVGのほうがいい」と思って差し替えたら、急にいい感じになった。

些細な違いです。
でも、その「些細」が積み重なって、使いたくなるかどうかが決まるんです。

リスト作成のボタンも、他の拡張にはあるのにTasksだけなかった。
ない理由は、ただ「まだ作っていなかっただけ」。
気づいたら足す。
それだけのことなのに、気づかないと永遠にないままです。

ものを作るって、こういうことななんです。
大きな機能を追加することより、見えない文字に気づくこと。
足りないボタンに気づくこと。

完璧なものは作れなくても、気づいたことは直せます。
それを繰り返していくしかない。

深夜1時、メニューの文字がちゃんと見えるようになった画面を眺めながら、そんなことを思いました。

並べてみないと、ズレに気づけない

並べてみないと、ズレに気づけない

同じものを作っているつもりでも、少しずつズレていくことがあります。

3つのChrome拡張に同じテーマシステムを入れていました。
同じ変数名、同じ4テーマ。
でも、並べてみたら色が違っていた。

1つずつ作っていると気づかないんです。
そのページだけ見ていると「いい感じ」に見える。
でも隣に並べると、「あれ、これとこれ、色が違う」。

人間関係にも似ている気がしました。

それぞれの場所で、それぞれ上手くやっているつもりでいる。
でも全体を俯瞰すると、ちぐはぐになっている。
言っていることが場所によって微妙に違う。

揃えるって、意識しないとできないことです。 自然にしていると、少しずつズレていく。

だから時々、立ち止まって並べてみるのは大事なのかもしれません。
自分のやっていること、言っていること、考えていること。
並べてみて、ちぐはぐなところを見つけて、揃える。

完璧に揃わなくてもいい。
揃えようとした、その意識だけで十分ななんです。

並べてみたら、もう一つ気づいたことがありました。

KeepにもCollectionsにも検索バーがあるのに、Tasksにはなかったんです。
毎日使っていたのに、気づいていなかった。

「ないもの」って、意識しないと見えないものです。

「あるもの」が隣にあって初めて、「あれ、こっちにはないな」と気づく。
当たり前すぎて存在に気づかないものって、きっとたくさんあります。

検索バーがないなら、自分で作ればいい。
そう思って、ヘッダーに注入しました。
文字を打つとタスクが絞り込まれていく。
それだけのことなのに、なんだかすごく「使いやすく」なった気がしました。

足りないものに気づけるかどうかって、結局「他と比べてみる」しかないのかもしれません。

毎日の中にある「なくても困っていないけど、あったら便利なもの」。
それに気づくには、意識して並べてみることが大事ななんです。

見えない原因は、自分が作ったものだった

見えない原因は、自分が作ったものだった

「見えない原因」を探す時間って、独特の苦しさがあります。

カードを選択したらテキストが消える。
文字の色は正しい。
透明度も正常。
サイズもある。
なのに見えない。
DevToolsで一つずつ確認しても、全部「問題なし」。

何時間も調べて、最終的にわかったのは、自分が書いたCSSが原因だったということでした。
選択時にGoogleが被せてくる透明な層に、自分のCSSが白い背景を付けていた。
白い壁で中身を隠していた。

「犯人、自分じゃん」って思いました。

自分が作ったものが、自分を邪魔している。
開発に限った話ではないかもしれません。
良かれと思って整えたルールが、逆に自分を縛っていることって、暮らしの中にもある感じます。

「試した上での妥協」は怠惰じゃない

「試した上での妥協」は怠惰じゃない

もうひとつ、今回の開発で感じたことがあります。

Keepの検索画面を開いたとき、フィルターカードの中のアイコンがテーマに合っていないことに気づきました。
外枠はちゃんと色が変わっているのに、中のアイコンだけ元の色のまま。

調べてみると、アイコンの色がSVG画像に直接書き込まれていて、CSSでは変えられないものでした。
CSSの「filter」という機能を使って、色を近似的に変換してみました。
青いアイコンをピンクに回したり、黒いアイコンから色を生成したり。

完璧には合いませんでした。
でも「まぁ、このくらいでいいか」と思えました。

「完璧にする」と「許容する」の間には、「試してみた」という時間が必要です。

最初から「しょうがない」と諦めるのと、やってみてから「このくらいでいい」と判断するのでは、同じ結果でも意味が違います。
試した上での妥協は、怠惰じゃなくて判断です。

ものを作っていると、この「判断する」場面がたくさん出てきます。
100点を目指すのか、80点で次に進むのか。
正解はないけれど、「ここまでやったから、この判断には納得できる」と思えるかどうか。

生活でも同じことがあります。
完璧な環境は作れなくても、自分なりに試した上で「今はこれでいい」と思えることが、たぶん健全なんです。

ABOUT ME
かなえ
かなえ
個人開発を応援する非エンジニア
婚約破棄をきっかけに、29歳で未婚の母になると決めました。
不安と向き合いながら、10年かけて働き方を少しずつ作り変えてきた40代です。

AppSheetやGASを独学で覚え、いまはAIを使った個人開発を毎日続けています。
個人開発を応援する非エンジニアとして、等身大の試行錯誤や、子育て・自立・副業のことを、正直に記録しています。
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