自分の道具を、自分で直せるということ
朝、自分で作った動画エディタを開いて、BGM のスライダーを動かしました。
そうしたら、隣のスライダーまで一緒に動いてしまったんです。
スライダーが、思った通りに動かなかった

困りました。
このエディタは、YouTube に動画を上げる前の最終調整をするために自分で作っているものです。
BGM を選んで、音量を決めて、フェードインとフェードアウトをそれぞれ秒数で設定できる。
Filmora というソフトに似た感覚で操作できることを目指していました。
そのスライダーが、お互いに干渉して動く。
何度ドラッグしても同じでした。
しばらく眺めていて、「あ、ドラッグしている最中に裏側で保存処理が走って、保存された値で画面が描き直されているんだ」と気づきました。
指でつかんでいる場所と、画面が信じている値がズレて、ハンドルがびっくりして飛んでしまう。
直し方は分かりました。
指を離した瞬間にだけ保存するようにすればいい。
それまではローカルに値を持っておく。
当たり前のことなのですが、書いている時には見えませんでした。
動かして、初めて気づきました。
「指を離した瞬間だけ保存」で直った

直したあと、もう一つやりたかった機能も足しました。
ブラウザから BGM ファイルをアップロードできるようにしたんです。
これまでは、フォルダを開いて、ファイルをドラッグで放り込んで、サーバーに気づいてもらう、という手順でした。
動きはしますが、毎回それをやるのは面倒でした。
「BGM を追加」というボタンを置きました。
押すとファイル選択画面が開いて、選んだ mp3 がサーバーに送られて、リストに即座に出てきて、自動で選ばれた状態になる。
それだけのことなのですが、書きながら静かに笑っていました。
完成してから、自分で Seven_AM_Promenade.mp3 という曲をアップロードしました。
リストに出てきて、勝手に選ばれて、再生ボタンを押したらフェードイン込みで鳴りました。
うれしい瞬間でした。
BGM をボタンひとつでアップロードできるようにした

このエディタを作る前は、コードのファイルを開いて、数字を書き換えて、保存して、再ビルドして、再生する、という手順でした。
動きはしますが、AI に毎回お願いしないと進まない。
それはそれで自動化されているのですが、自動化された道具に、自分の手が届かない感覚がありました。
それが嫌で、GUI を作ろうと決めました。
自分で作った道具は、自分で直せる

作り始めて気づいたのは、自分で作った道具は、自分でおかしさに気づけるということです。
スライダーが動かない、と思った瞬間に「これは自分で直せるな」と分かる。
直し方が分からなくても、どこを直せばいいかは分かる。
既製品のソフトだと、そうはいきません。
「このソフト、なんか変だな」で終わってしまう。
そして、気づいてしまうと、直したくなるんです。
直せると分かっているから、直したくなる。
直すと、次に使う時のストレスが少しだけ減る。
減ったストレスの分だけ、その道具が好きになる。
このサイクルが回り始めると、既製品の動画編集ソフトには戻れない気がしています。
完璧な道具を作る、ということではないと思っています。
完璧じゃなくていい。
自分のいまの不満を、いまの自分が直せる範囲で直していく。
それで十分だと思っています。
明日もまた、何かおかしいところを見つけるはずです。
見つけたら直す。
直したら、その動画エディタが今日より少し使いやすくなる。
そういう日々を、今は静かに続けています。

