自動化・AI開発

「共有」と「共有した」、たった2文字の違い

Kanae

拡張機能をChromeウェブストアに出すための作業をしています。

ここ数日、説明文を書いては直し、書いては直しを繰り返しています。
言葉一つで意味が変わるから、慎重に選びたい。

そう思って書いていたのに、今夜、大事な見落としに気づきました。


「共有リンク」って書いていた

私の拡張機能は、Geminiの公開リンクを管理するツールです。
チャットを共有したときに生成される、あの「リンク」を一覧で見られるようにしたもの。

説明文には、こう書いていました。

「共有リンクにメモを残せる」
「共有リンクを検索できる」
「共有リンクを自動で整理する」

何度も書いているうちに、「共有リンク」という言葉に違和感がなくなっていました。

でも、ふと「待って」と止まりました。


「共有リンク」って、誰の?

「共有リンク」って、誰の?

考えてみると、「共有リンク」は二つの意味に取れます。

一つは、自分が共有したリンク。
もう一つは、人から共有されたリンク。

私の拡張機能は、前者しかできません。
後者は技術的に取れないんです。

なのに「共有リンク」とだけ書くと、読み手によっては
「あ、人から共有されたものも管理できるの?」
と誤解する可能性がある。

ぞっとしました。

これだけ言葉に気をつけているつもりだったのに、毎日「共有リンク」と書き続けて、自分がそれに慣れてしまっていたことに、気づかなかったんです。


たった2文字の違い

たった2文字の違い

直し方は、すごくシンプルでした。
「共有リンク」を、「共有した公開リンク」に変えただけ。

たった2文字の追加。
でも、意味は全く変わります。

「共有した」をつけると、主語が読み手自身になる。
「あ、これは私が共有したリンクのことなんだな」と分かる。

それまでの「共有リンク」は、宙に浮いた言葉でした。
誰のリンクなのか、誰が共有したのか、何も明示していなかった。


ラベルが、意味を作る

ラベルが、意味を作る

私は、ものに名前をつけたり、ラベルを貼ったりするのが好きです。

ラベルが正しければ、迷わない。
ラベルが曖昧だと、毎回中身を確認することになる。

それと同じことが、文章にもあるんだなと、今日気づきました。

「共有リンク」というラベルは、実は曖昧でした。
「共有した公開リンク」は、誰の何かが明確です。

たった2文字。
でもその違いが、誤解を生むか、安心を生むかを分ける。


言葉に慣れると、ズレが見えなくなる

言葉に慣れると、ズレが見えなくなる

不思議だなと思うのは、最初に書いたときは違和感があったかもしれない言葉でも、何回も繰り返すうちに「当たり前」になっていくことです。

「共有リンク」という言葉も、初めは私の中で「これでいいのかな」という小さな引っかかりがあったはずです。
でもそれが10回、20回と書いているうちに、私の中で「正しい言葉」になっていきました。

これは怖いことだなと思いました。
慣れは、判断を鈍らせる。

だから時々、誰かに「これってどう読める?」と聞いてもらうのが大事なんだと思います。
今日も、外からの視点で「人から共有されたものも管理できそうじゃない?」と言ってもらえなかったら、私はそのまま「共有リンク」のままストアに公開していたはずです。


普段の生活でも

普段の生活でも

これは拡張機能だけの話じゃないかもしれません。

「子どものために」と言うとき、それは「私が子どものためにと思ってやっていること」なのか、「子どもが本当に求めていること」なのか。

「やさしさ」と言うとき、それは「やさしくしてあげたい」なのか、「やさしくされたい」なのか。

主語を曖昧にしたままだと、お互いに違うものを見ながら話してしまう。

言葉のラベルを正しく貼ることは、思っている以上に大事なのかもしれません。


直し終えた夜に

直し終えた夜に

すべてのファイルから「共有リンク」を消して、「共有した公開リンク」に置き換えました。

ストアの説明文。
プライバシーポリシー。
ポップアップの画面。
コードのコメント。

書き直しの作業は地味でした。
何回もファイルを開いて、検索して、置換して。
ぽちぽちと小さな修正を積み重ねて。

でも、終わった後の気分は、思ったより晴れやかでした。

「自分の作ったものに、正しい名前をつけてあげられた」
そんな感覚です。


たった2文字。

でも、たった2文字で、ものの意味は変わります。

そして、たった2文字を直すために半時間かける夜が、あっていいんだと思います。

自分が作るものに、正しい名前をつけてあげること。
それは、たぶん、自分の暮らしの隅々にも通じる話なのかもしれません。

ABOUT ME
かなえ
かなえ
個人開発を応援する非エンジニア
婚約破棄をきっかけに、29歳で未婚の母になると決めました。
不安と向き合いながら、10年かけて働き方を少しずつ作り変えてきた40代です。

AppSheetやGASを独学で覚え、いまはAIを使った個人開発を毎日続けています。
個人開発を応援する非エンジニアとして、等身大の試行錯誤や、子育て・自立・副業のことを、正直に記録しています。
記事URLをコピーしました