たった4行の修正に数時間かかった日のこと
右を向いたら左にカーブする。
上を向いたら下にカーブする。
VTuberアプリの3D表現が、全部逆に動いていました。
「符号を反転すればいいだけでしょ」――最初はそう思いました。
でも、そこから数時間の試行錯誤が始まることになるとは、この時点では想像もしていませんでした。
「簡単そう」が一番手強い

一つ直すともう一つが壊れる。
そっちを直すと最初のが元に戻る。
まるでモグラたたきのような状態でした。
これは開発に限った話ではないと思います。
暮らしの中でも、一見シンプルに見える問題ほど根が深かったりします。
「ちょっと片付ければ終わるはず」と思って始めた模様替えが、気づけば半日仕事になっていたり。
見た目の単純さと、解決の難しさは比例しないんです。
「正解の姿」を知ることの大切さ

行き詰まったとき、一つの転機がありました。
AIに「そもそも正しい動きってどういうもの?」と聞いてみたんです。
返ってきたのは、9方向それぞれで何がどう動くべきかという明確な説明でした。
ゴールが見えた瞬間、景色が変わりました。
問題を解こうとするとき、私たちはつい「どう直すか」に意識が向きがちです。
でも本当に大事なのは「どうなっていれば正しいのか」を知ること。ゴールが明確になれば、そこへの道筋は自然と見えてきます。
一人で抱えない、でも丸投げしない

今回は二つのAIに相談しながら進めました。
一つは「正しい仕様」を教えてくれて、もう一つは「コードの原因分析」を担当してくれました。
でも、画面を見て「これは違う」「これは合ってる」と判断するのは私の役割でした。
AIに聞けば答えは出てくる。
でも、その答えが本当に正しいかどうかを判断するのは人間です。
これは開発だけでなく、暮らしのあらゆる場面に通じると思います。
専門家に相談する、本を読む、ネットで調べる。
でも最終的に「これでいい」と決めるのは自分自身。頼ることと、任せきりにすることは違います。
遠回りは無駄じゃない

結局、修正したのはたった4行でした。
数時間かけて、たった4行。
でも、その数時間がなければ、なぜこの4行なのかが理解できなかったと思います。
試行錯誤の中で問題の構造がわかり、何を変えて何を変えてはいけないかが見えてきた。
答えにたどり着くまでの遠回りは、答えの意味を理解するために必要な時間だったんです。
子どもの宿題と、4行の修正

夕方、子どもが算数の宿題をしていました。
「この問題、答えは簡単なのに途中の式がわからない」とぼやいています。
思わず笑ってしまいました。
今日の自分とまったく同じだったからです。
答え(正しい動き)はわかっている。
でも、そこにたどり着く道筋がわからない。
結局、子どもも私も、一つずつ試しながら「ああ、こういうことか」にたどり着きました。
「わかった!」と叫ぶ子どもの顔を見て、数時間格闘した疲れが少し軽くなりました。
わかる喜びは、年齢も分野も関係ないのです。
急がば回れ

誰かが使うかもしれないアプリを作っている。
4行の修正に数時間かけている。
傍から見たら「何やってるの?」と言われそうな日々ですが、この遠回りの一つひとつが、自分の力になっている実感があります。
明日もきっと、遠回りしながら少しずつ進んでいくんです。
「わからない」を楽しめるようになりたい

「予想と違う」はストレスになりがちです。
特にものづくりをしていると、「こう動くはず」が「動かない」に変わった瞬間、焦りが先に立ちます。
でも今日、4行の修正にたどり着くまでの道のりを振り返ると、あの試行錯誤の時間にも確かに発見がありました。
わからないことに向き合う時間は、決して無駄ではありません。
むしろ、わからないからこそ深く考えるし、理解した時の喜びも大きくなります。
「予想と違った、面白い!」と言えるようになったら、もっと軽やかにものづくりができるのかもしれません。
わからないことは、まだまだたくさんあります。
でも、わからないことがあるから、明日も調べてみようと思える。
4行の修正に数時間かけた今日も、きっとそういう一日だったのです。

