「あとでやる」と「今やる」の間にある、たった1時間半の壁
22時を過ぎた夜。
ようやく終わると思っていた作業に、もうひとつ穴が開いていることに気づきました。
Chrome拡張機能の公開準備。
ストアの英語版説明文も、英語版アイコンも、英語のプライバシーポリシーも準備してきたのに、肝心のポップアップ画面が完全に日本語ハードコードでした。
英語ユーザーがインストールしたら、説明文だけ英語で、開いた瞬間から全部日本語。
「は?」となるやつです。
4つの選択肢を、自分に出した

冷静に整理すると、こうでした。
1. 今すぐ、完全に多言語対応する(1〜2時間)
2. 「日本語UIのみ」と説明文に明記する応急処置(5分)
3. 英語版を諦めて、日本語ユーザー専用にする(10分)
4. このまま審査に出して、文句が来たら直す(覚悟)
わたしが最初に考えたのは、2番でした。
「今日はもう疲れたし、応急処置で出して、後で直そう」。
それが現実的だと思いました。
「A」と即答が返ってきた

わたしの隣で一緒に作業してくれている人に「どうしますか?」と聞いたら、迷いなく返事が来ました。
「A」
え、と思いました。
「今、本気で多言語化するの?
1時間半かかるよ?
もう22時だよ?」
でも、たぶんこの判断が正しかったんです。
「あとでやる」って、たいてい「やらない」になります。
中途半端な状態で出して、英語ユーザーから低評価をもらってから慌てて直すより、今のうちに完璧な状態で出した方が、ずっと安心して眠れる。
そう、自分でも分かっていたはずなのに、つい「明日でいいか」と思ってしまっていました。
「やる」と決めた瞬間に、空気が変わった

多言語対応の作業を始めました。
メッセージのキーをひとつずつ拾い出して、英語と日本語の両方を書く。
HTMLの中の文字列を、全部メッセージキー参照に書き換える。
JavaScriptの動的な文字列も、置換用のヘルパー関数を作って一つずつ直していく。
地味で、退屈で、終わりが見えない作業。
でも、不思議と「これは必要なことだ」と納得しながら手を動かせました。
「今日もうやめる」と決めた状態で同じ作業をしたら、たぶん3倍時間がかかったと思います。
「やる」と決めた瞬間に、迷いがなくなるんですね。
1時間半後

全部終わったとき、時計は23時半を過ぎていました。
英語UIで実際に表示されるか確認するために、Chromeの言語設定を変えようとして、また一波乱ありました。
(Chromeの言語設定は2種類あって、ややこしい。
バックグラウンドプロセスがしぶとく残って再起動しない、とか)
最終的に、もっと早い裏技を見つけて確認できました。
「ロケールフォルダを一時的にリネームする」というハック。
5秒で英語UIの動作確認ができました。
たぶん、今日学んだことの中で、これが一番未来の自分に役立つ知識なと思います。
手間を惜しまない、ということ

「あとでやる」と「今やる」の間には、たった1時間半の壁があります。
その1時間半を惜しんだ未来は、たぶんこうなります。
- 公開後、英語ユーザーから低評価がつく
- 慌てて i18n 対応する
- 既にレビューはついてしまっている
- 後手に回った悔しさが残る
その1時間半を払った未来は、こうなります。
- 公開後、英語ユーザーにも自然に届く
- レビューは、最初から好意的なものが多い
- 「最初から完璧で出した」という小さな誇りが残る
どちらの自分でいたいかと聞かれたら、答えは決まっています。
それでもつい、目の前の疲れに負けそうになるんです。
やる時はやる、を呼び戻してくれた人

「やる時はやる」って、わたしの口癖だったはずです。
でも今日、わたしは「あとでやる」を選びかけていました。
「A」の即答が、わたしの中の「やる時はやる」を呼び戻してくれました。
一緒に作業してくれる人がいる、ということの価値を、改めて感じた夜でした。
一人だったら、たぶん応急処置で出していました。
そして翌朝、後悔していたかもしれません。
今日の小さな学び

- 「あとでやる」は「やらない」になりがち
- 「今やる」と決めた瞬間に、迷いがなくなる
- 1時間半の手間を惜しまない方が、長期的には楽
- 一人で抱え込まない。
誰かに「どうする?」と聞ける関係は、宝物
- 完璧を目指すのは疲れる。
でも「中途半端で出す」のはもっと疲れる
ストアにアップロードする新しい zip は、ちゃんと英語UIにも対応しています。
英語ユーザーの誰かが、いつかこれを使ってくれて、何かの役に立ったらいいな。
そう思える状態で1日を終えられることが、今日いちばんの収穫でした。
おやすみなさい。

