自分のサービスに値段をつける日のこと
私が個人で作っているブックマーク管理ツール「petapeta」を、いつかみんなに使ってもらいたいなと思っています。
今は Google アカウントを承認した友人だけに使ってもらっている状態(招待制)で、開発者の私が好きに作って好きに直せる時期。
とても楽しい時期なんですが、いつかは「広く開放したい」気持ちが少しずつ膨らんでいます。
そう考えたとき、避けられないのが値段の話でした。
サーバー代がかかる仕組みです

petapeta は Firebase という Google のサービスを使って動いています。
データを保管したり、画面を表示したり、画像を保存したり。
無料の枠(おまけ枠)があって、ユーザーが少ないうちはタダで動くんです。
でもユーザーが増えると、無料枠を超えて私の財布から月々のお金が引かれる仕組み。
ざっくり試算してみました。
「100 人くらいまでは無料で持つ。
それ以上は私が払う」
100 人を超えたあたりから、月々数百円〜数千円が出ていく計算でした。
1000 人なら月 2 千円、1 万人なら 1〜2 万円。
サブスクとして広く使ってもらうなら、その分のサーバー代を誰かが払わないといけません。
「無料で配り続けたい」気持ちと、現実

理想を言えば、お金なんて取らずに全部無料で開放したい気持ちはあります。
「使いたい人がいれば、誰でも使えばいい」と。
でも、サーバー代が私の財布から永遠に出続ける構造だと、いつか息切れします。
会社を辞めて傷病手当金で暮らしている時期。
続けられる仕組みじゃないと、サービスごと止まってしまうんです。
「無料で配って燃え尽きるくらいなら、ちゃんと値段をつけて続けたい」
そう思いました。
月 300 円で考えてみました

業界を眺めると、似たブックマーク管理ツールはだいたい月 3〜5 ドル(450〜750 円)でサブスクを取っています。
Pocket、Raindrop、その他いろいろ。
私が決めたのは、月 300 円。
スタバのコーヒー 1 杯分。
Netflix の半額以下。
「迷わず払える」と思える金額にしたかったんです。
500 円になると「考える」になり、1000 円になると「他と比較する」になる。
300 円は財布の心理的な仕分けを超えてくる金額。
無料で使える上限は、ブックマーク 300 件。
これは「日常使いには十分、本格的にハマったら有料」のラインを意識しました。
100 件は試した感じ、500 件で課金していい。
300 件は、その中間。
数字を出すと、決まる

価格を考える前は「いくらが妥当だろう」とぼんやり悩んでいました。
300 円なのか、500 円なのか、1000 円なのか。
でも、サーバーコストの数字を出して、競合の価格を並べて、ユーザー何人で何円黒字、と試算したら、迷いが消えました。
数字に向き合うと、決まるんだなと思いました。
「1000 人ユーザーがいて 5% が Pro に入ってくれたら、月 1 万 5 千円の利益。
サーバー代を引いて 1 万 4 千円が手元に残る」
この数字を見て、「これなら続けられる」と思えました。
儲かるとかじゃなく、続けられる金額。
エクスポートはずっと無料

価格の話を考えるときに、もう一つ大事にしたいことを決めました。
「いつでも逃げられる仕組み」をなくさないこと。
今、petapeta では JSON 形式や Chrome ブックマーク形式でデータを書き出せます。
これは Pro でも Free でも、全員に開放したまま。
お金を取らない機能として残します。
ロックインしないから安心して試せる。
気に入らなければ、いつでも自分のデータを持って出ていける。
「逃げられない仕組みで縛る」のは、私が嫌だと感じるから、自分のサービスでもやらないと決めました。
段階的に進めます

すぐに有料化するわけじゃありません。
最初は今のまま、招待した友人だけが使う期間。
ここで触ってもらって、フィードバックをもらって、UX を磨きます。
次に、もう少し広く開放してみる期間。
Free のみ、無料で使える状態。
何人くらいに刺さるのか、どんな使われ方をするのか観察します。
それから、Pro プランを導入する期間。
早く使ってくれていた人には、ずっと半額のままにする予定です。
「ありがとう」を伝えたいから。
やってみないとわからない

正直、月 300 円が「妥当」なのかは、まだわかりません。
誰も払ってくれないかもしれないし、もっと取ってもいい価値があるのかもしれない。
でも、決めなきゃ進めない。
試行錯誤するしかない。
数字を見つめて、競合を見て、自分が支払う側だったらいくらまで出すかを想像して、決めました。
「決めたら進める。違ったら直す」
そういう気持ちで、価格をつけてみました。

