「機能を作らない」も、ちゃんとした選択肢でした
ある日、ユーザーから質問が届きました。
「プロダクトってWordPressのテーマ構築やプラグイン制作なども入りますか??
そこが疑問で何も書けないでいます。」
Mintor で何を投稿していいか分からなくて、止まっている人がいる。
それが分かった瞬間、私は「投稿していい例を、もっと書いておこう」と思いました。
書きすぎてしまうところまでは、すぐでした。
書きすぎて、削った

ガイドに「こんなのも投稿していいですよ」と例を並べていきました。
WordPressのテーマやプラグイン。
ホームページ制作。
書籍やnoteのマガジン。
講座や教材。
YouTube動画。
イラスト、デザイン、音楽、写真集。
書き終わってから、ふと、Mintor の投稿フォームのカテゴリを開いてみました。
「Web / Mobile / Desktop / Game / Library / Tool / AI / Blockchain / IoT / Other」。
全部、開発系のカテゴリしかないことに、ようやく気がつきました。
書籍も、講座も、イラストも、音楽も、入る場所がありません。
「Other」に押し込めるしかない。
ガイドで「載せていいですよ」と言って、いざ投稿しようとしたら入れる箱がない、というのは、誠実じゃありませんでした。
書きすぎた箇条書きを、一つずつ削りました。
「ポートフォリオ機能」を作ろうとして、止まった

書籍も講座もイラストも、せっかくユーザーから期待されている入れ物なんだから、別の機能として作ろうかな、と一瞬思いました。
「ポートフォリオページ」みたいなものを Mintor に追加して、創作物はそこに載せてもらえばいい、と。
でも、ちょっと立ち止まりました。
Mintor のコンセプトは、「Webで見せられる成果物 = プロダクト」。
イラスト1枚や音声ファイル1個を直接アップロードできる場所として作ると、Mintor は「作品集SNS」になります。
それは、私が作りたいものとは違う方向です。
イラストや音楽を載せたい人は、それを紹介する Web ページを作ってもらえばいい。
作品集サイトを作って、その URL をプロダクトとして投稿してもらう。
そういう道筋なら、Mintor のコンセプトはブレません。
「ポートフォリオページを作る」という思いつきを、捨てました。
代わりに、プロフィールに「ポートフォリオ」というリンク種類を追加する、小さな改善に振り直しました。
外部の作品紹介サイトを、プロフィールから見つけやすくするだけ。
新機能を作るより、ずっとシンプルでした。
自分が作ったものを、誰かが使おうとしてくれる

質問が届いた時、まず嬉しかったです。
Mintor を作って、それを使おうとしてくれる人がいる。
迷っている、ということは、わざわざメッセージを送ってきてくれるくらい、関心を持ってくれているということでした。
同時に、責任感もありました。
この人が「わからないまま諦める」ことにしたくない。
歓迎しているふりをして、いざ来てもらったら入る箱がない、というのは、その責任を果たしていないことになります。
書きすぎを削ったのも、ポートフォリオ機能を作るのを止めたのも、この「嬉しさと責任感」の両方が支えになっていました。
何を作らないかを決めるのも、プロダクト判断でした

「何を作るか」より「何を作らないか」が、プロダクトの輪郭を決めるのかもしれません。
書きすぎたガイドを削るのも、思いついた機能を「作らない」と決めるのも、両方プロダクト判断としては等価でした。
むしろ「作らない」と決めた方が、後々の運用が楽になることもあります。
ユーザーに「歓迎しますよ」と言って、いざ来てもらうと迷子になるような場所にはしたくない。
コンセプトを守ることは、ユーザーを守ることでもありました。
1通の質問のおかげで、Mintor の輪郭が、少しはっきりしました。

