自動化・AI開発

一行目を読まずに、三百五箇所を書き換えた夜

Kanae

NotebookLM を開いたら、画面の右側が赤でいっぱいでした。

自分で作った Chrome 拡張が、エラーを吐き続けていました。
昨日まで動いていたのに、何もしていないのに、壊れていました。

拡張が、赤いエラーで埋まっていた

拡張が、赤いエラーで埋まっていた

Claude Code に相談しながら、原因を見にいきました。

エラーの一行目は「undefined のプロパティが読めない」。
よくあるパターンだろう、と見立てました。
Chrome 拡張の API が一時的に無効になったときに出るエラー、と。

じゃあ、ぶつかっても落ちないように、コード全体を守る書き方に置き換えよう。
4つのファイルで、305箇所ありました。
一括置換で、数秒で書き換え終わりました。

拡張をリロードして、NotebookLM を再読み込みして、コンソールを見たら。

まだ、赤かったんです。

305 箇所書き換えても、直らなかった

305 箇所書き換えても、直らなかった

私は、画面のスクリーンショットを Claude に送りました。
自分の目で読んでいたつもりのエラーメッセージを、画像としてそのまま渡しました。

そうしたら Claude が言ったんです。

「これ、undefined じゃないです。
下にちゃんと書いてありますよ。
Extension context invalidated、って」

画面をよく見たら、一行目の下に、別のエラー文が、はっきり書いてありました。
私はそれを読んでいませんでした。
一行目を見て「これはあのパターンだ」と決めつけて、途中から全部スキップしていたんです。

305箇所の置換は、違う問題への対処でした。
だから直らなかった。

「一行目の次」を読んでいなかった

「一行目の次」を読んでいなかった

正しい直し方は、たった4行のコードでした。
拡張が無効になったときに、監視を自分で止める。
それだけでエラーの連鎖は止まりました。

このあと、もう一つバグが出ました。

スライドを Google スライドに送ると、開いていたページが1枚目になってしまう、という現象です。
8ページ目を開いていたら、送られたスライドの1枚目が8ページ目。
順番がおかしい。

原因を探ったら、これも似たような話でした。

画像のサイズで「大きいもの」を選ぶフィルタがあって、現在のページだけが「大きい画像」として扱われていました。
でも、下に並んでいるナビサムネイルをよく見たら、実は全部、元と同じ高解像度のURLを持っていたんです。

「小さく表示されている」けれど「中身は大きい」。

表示サイズだけを見て判断していたから、順序がぐちゃぐちゃになっていました。

ちゃんと URL を見ていたら、すぐに分かる話でした。

私は今日、同じような見落としを何度もしていました。

エラーの一行目だけを見る。
画像の表示サイズだけを見る。
「これはあのパターンだ」と決めつける。

私は AI と一緒に開発するようになってから、楽になりすぎたのかもしれません。

エラーメッセージを、最後まで読まなくなっていました。
スタックトレースも、ログも、流し読み。
「どうせ Claude が拾ってくれる」。
そう思っていたと思います。

でも、Claude は、私が見せたものしか見られないんです。
私がスクリーンショットを丸ごと送るまで、Claude もエラーの2行目を知りませんでした。

私が途中から読んでいると、Claude も途中から考えるんです。

直したのは、自分の読み方だった

直したのは、自分の読み方だった

AIが賢くなるほど、投げる前の私の仕事は、むしろ丁寧さが要るのかもしれません。

全部を見る。
全部を読む。
「これはきっとあのパターンだ」と決める前に、一行目の次を、ちゃんと見る。

「見えているもの」がすべてじゃない、というのは、当たり前のことなのに、つい忘れます。
エラーメッセージも、画像のサイズも、表面だけで判断したらそこで止まってしまう。
その下に書いてあることや、内側に持っている中身を、ひと手間かけて確かめる。
本当は、それだけのことなんだと思います。

305箇所の置換は、完全に無駄ではなかった。
一応、null安全にはなった。
でも、焦点がずれた作業を、どれだけ時間をかけても、本当の問題は解決しないんです。

次からは、エラーの本文も、要素の中身も、最後まで見てから動きます。

流し読みで十分な日もあると思うんですが、今日はそうじゃなかった。

Claude と一緒だから速く進めるようになった代わりに、私自身が「一行目の次」を読む筋力を、たぶん少し落としていました。

コードを直した、というより、自分の読み方を直した日でした。

ABOUT ME
かなえ
かなえ
個人開発を応援する非エンジニア
婚約破棄をきっかけに、29歳で未婚の母になると決めました。
不安と向き合いながら、10年かけて働き方を少しずつ作り変えてきた40代です。

AppSheetやGASを独学で覚え、いまはAIを使った個人開発を毎日続けています。
個人開発を応援する非エンジニアとして、等身大の試行錯誤や、子育て・自立・副業のことを、正直に記録しています。
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