忘れないために、3つの記録の引き出しを持つ
朝、AI のための記憶を増やすツールを入れました。
Claude-mem というプラグインです。
私はもう、自前で記録の仕組みを2つ動かしていました。
今回それに3つ目が加わって、棲み分けを整理する必要が出てきたのです。
私が持っている、3つの引き出し

1つ目: メモリ
「忘れたくない指針」を集めた引き出しです。
マークダウンのファイルが50個くらい並んでいて、それぞれに「ユーザーへのフィードバック」「外部リソースの場所」「進行中のプロジェクトの状態」みたいなテーマが書いてあります。
書くときは、意識して厳選します。
何でもかんでも入れません。
これを入れたら未来の私(あるいは AI)の判断を助ける、と思ったものだけを入れます。
2つ目: 思考ログ
その日に考えたこと・気づいたこと・迷ったことを、3行ずつ残す引き出しです。
プロジェクトごとに .thinking/YYYY-MM-DD.md というファイルがあって、## HH:MM [タグ] タイトル の形でぽつぽつ書き溜めていきます。
これは日記に近い書き方です。
後で読み返したり、記事の素材にしたりします。
書く瞬間に、頭の中がほどけていく感覚があります。
3つ目: claude-mem(今日入れた)
ツール使用を全部、自動でキャプチャする引き出しです。
私が何かを書く必要はありません。
Claude Code がコマンドを実行するたびに、それを見ていて、要約して、データベースに入れてくれます。
書き手は機械です。
読み手も基本は機械(次のセッションの Claude)です。
私はたまにブラウザで開いて、検索して、覗き見るだけです。
似ているのに、違う

最初は「3つも要る?」と思いました。
役割が被ったら、書き分けに迷って、どこにも書けなくなる。
それが一番こわい。
でも、調べていくと、それぞれが違う仕事をしていることが見えてきました。
メモリは「未来の私を助けるために、選んで残す」もの。
思考ログは「今日の私の頭の中を、その瞬間に残す」もの。
claude-mem は「全部、機械が読めるように記録する」もの。
メモリは新しいセッションが始まるときに、必ず最初に読まれます。
思考ログは私が記事を書こうとした時に、日付別に開かれます。
claude-mem はベクトル検索で、似たような場面に出会った時にだけ呼び出されます。
書く人も、粒度も、読まれる場面も違う。
同じ「記録」でも、性質が3層に分かれているのです。
競合しない、と気づいたとき

3つを並走させていいんだ、と腑に落ちた瞬間がありました。
引き出しが増えると、その分だけ「整理しないと」という気持ちも増えるイメージがありました。
でも今回は逆でした。
3つあるから、それぞれが浅く済むのです。
メモリは厳選していい。
なぜなら、漏れは思考ログが拾うから。
思考ログはその日のことだけ書けばいい。
なぜなら、振り返りはメモリが補うから。
claude-mem は全部入れていい。
なぜなら、整理は機械がしてくれるから。
役割を分けると、それぞれが背負うものが軽くなる。
厳選するから、漏れる

メモリには厳選したものしか入れていません。
「これは未来の判断を助ける」と思ったものだけ。
その代わり、漏れます。
「あれ、あの時どう判断したっけ」と後で思っても、メモリには書いていない。
書くほどでもないけど書きたかった、くらいのものは、記憶から消えていきます。
思考ログには、もう少し細かい話を書きます。
3行でいいから、その日のことを書いておく。
後で記事を書くときに「あ、ここに書いてあった」と引き出せる。
それでも、漏れます。
「あのコマンド、どんなオプションで打ったっけ」「あのパッケージ、どこからインストールしたっけ」みたいな、書くまでもない作業の細部。
これは思考ログにも書きません。
書いたらキリがない。
でも、後で困ることはあります。
claude-mem は、その層を埋めてくれるはずです。
私が書かないものを、機械が書く。
入れただけでは、何も変わらない

claude-mem はインストールしました。
Web UI も開きました。
設定も確認しました。
でも、これからどう動くかは、まだ分かりません。
次のセッションから自動キャプチャが始まって、何日か経って、画面を見直したときに「これは便利だ」と思うのか「ノイズが多い」と思うのか。
肌に合わなかったら、外せばいい。
私の自前メモリも思考ログも、消えるわけではありません。
3つ目の引き出しを試しに足してみる、というだけのことです。
合うかどうかは、使ってみないと分かりません。
入れたところまでが、今日の話。
明日からは、機械が書きはじめます。
(翌朝の追記)
外しました。
私の使い方には重すぎる道具でした。
3層のうちの1層は手放したことになりますが、引き出しを分けて考える整理は、残った2つを使うときに役立ちそうです。

