壊していい場所を、別に作る
今日は一日かけて、自分の開発の「土台」を作り直していました。
作っているアプリには、もう実際に使ってくれている人がいます。
そのデータが入っている場所に、私はこれまで、テストのつもりで色々なものを投げていました。
動くかどうか試すための操作を、本物のデータの上で直接やっていたのです。
通らないことが続いて、ようやく気づきました。
試す場所と、本物の場所が、同じだったのだと。
✦ 大事なものの上で、試したくない

そこで今日やったのは、テスト用の場所を、本物とは別に作ることでした。
自分のパソコンの中だけで完結する、コピーのような場所。
そこなら、何を壊しても、間違えても、誰のデータも傷つきません。
思い切り失敗できる場所を、わざわざ一つ用意した、ということです。
作業の途中で、これは仕事だけの話ではないかもしれない、と思いました。
大事なものほど、その上で直接試したくない。
本番でいきなりやって失敗するのが怖いから、私たちは予行演習をしたり、下書きを重ねたりします。
料理だって、お客さんに出す前に一度作ってみる。
子どもに何かを教えるときも、いきなり本番ではなく、まず自分でやってみせる。
失敗していい場所を持っているかどうかで、本物の場所での落ち着きが変わる気がします。
✦ 守りながら、思い切り試す

切り離す前の私は、たぶんどこかでびくびくしていました。
本物のデータの上で動かしているのだから、変なことをしたら誰かに迷惑がかかるかもしれない。
その緊張が、ずっと薄く張りついていた気がします。
だから思い切ったことができなかった。
別の場所を作ってからは、少し気が楽になりました。
ここでなら、いくら壊しても大丈夫。
壊して、直して、また壊して。
本物に触れないまま、最後まで通すことができました。
守ることと、思い切りやることは、両立しないように見えて、実は同じ準備から生まれるのかもしれません。
守る場所をきちんと分けたからこそ、もう片方では遠慮なく試せる。
✦ 遠回りが、土台だった

正直に言えば、今日やりたかったのは、もっと小さなことでした。
ひとつの機能が最後まで動くかを見たかっただけ。
それなのに、気づけば土台そのものを作り直していました。
遠回りをしたような一日です。
でも、終わってみると、これがいちばん必要だったのだと思います。
急いで本番でやっていたら、いつかどこかで、取り返しのつかない壊し方をしていたかもしれません。
壊していい場所を、別に作る。
たぶんこの先も、私はこのやり方を続けていく気がします。

