断るボタンに、自分で迷った日
自分の作っているアプリに、相談予約を「受ける」か「断る」かを選ぶ画面があります。
今日はその2つのボタンを並べていました。
「承認する」と「今回は見送る」。
自分で並べたのに、どっちが受けるボタンで、どっちが断るボタンか、一瞬わからなくなりました。
作った本人が迷うなら

おかしな話です。
設計したのは自分なのに、自分で迷う。
でも、これはいいサインだと思いました。
作った本人が迷うなら、初めて使う人はもっと迷う。
私の「あれ?」は、使う人の「あれ?」を先に見せてくれただけです。
「今回は見送る」という言葉を選んだのには、理由がありました。
「却下」だと強すぎる気がして、角の立たない言い方にしたかったのです。
でも、やわらかくしようとして、かえって何のボタンかぼやけてしまった。
やさしさと、わかりやすさが、ぶつかっていました。
迷った末に、「お断りする」に変えました。
ていねいだけど、何をするボタンかははっきりわかる。
受けるなら「承認する」、断るなら「お断りする」。
やっと、ひと目で読めるようになりました。
断るときに、理由を添えられるか

ボタンの言葉が落ち着いたら、次に気になったのは、断る理由のことでした。
人にお願いを断られるとき、ひと言でも理由があると、ずいぶん受け取り方が変わります。
だから、お断りするときに、よかったら理由を書ける欄をつけました。
書かなくてもいい。
でも、書けば相手に届く。
ここで一度、立ち止まりました。
書いた理由は、そのまま相手に届くのです。
メモのつもりで書いたものが、知らないうちに相手の画面に出てしまったら、それは怖い。
だから「ここに書いた理由は、そのまま相手に届きます」と、書く場所のすぐそばに添えました。
断るという行為は、ただ「ノー」を伝えることではないのだなと思いました。
どう伝えるか、相手に何が見えるか、そこまで含めて「断り方」なのだと。
やさしさは、設計できる

断られるのは、誰でも少しさみしい。
だからこそ、断る側の画面を、ていねいに作りたいと思いました。
きつい言葉を、やわらかい言葉に。
理由を添えられるように。
その理由が相手に届くと、ちゃんと先に知らせる。
ひとつずつは小さなことです。
でも、こういう小さなところに、そのサービスが人をどう扱うかが出る気がします。
自分が迷ったから、直せた。
使う人の戸惑いを、自分の戸惑いとして先に味わえたのは、作る人としてはむしろ運がよかったのだと思います。
断るのは、これからも気持ちのいいものではありません。
それでも、断り方くらいは、やさしく整えておきたいと思いました。

