個人開発の値段のつけ方|自分の労力を安売りしないと決めた日
「これ、どうやってお金にするの?」
ずっと目をそらしていた問いに、ようやく向き合いました。
私が作っているChrome拡張「Gfizz」は、気づけば42もの機能を持つようになっていました。
毎日コツコツ作り続けて、半年以上。
でも収益はゼロです。
「無料で使ってもらえるだけで嬉しい」。
そう思っていた自分に、ちょっと待ってと言いたくなりました。
「無料でいい」は優しさじゃなかった

「まずは無料で広めよう」「使ってもらうことが大事」。
よく聞く言葉ですし、私もそう思っていました。
でも、冷静に考えると、無料で提供し続けるということは、自分の時間と労力をタダで差し出し続けるということです。
メンテナンスも、不具合対応も、すべて無償で。
楽しいうちはいいのです。
でも、Googleが仕様を変えて動かなくなったとき。
ユーザーから「直して」と言われたとき。
無報酬でそれに応え続けるのは、正直つらい。
「無料でいい」は、優しさではなく、自分の価値を認められていないだけだったのかもしれません。
42機能よりも、たった1つの「魔法」

AIに架空のキャラクターを演じさせてブレストしたとき、こんな言葉が刺さりました。
「ユーザーは42個の機能があるから払おうなんて思わない。
欲しいのは、自分の面倒な作業が一発で終わる1つの神機能だけ」
グサッときました。
42機能。
それは開発者としての自分の頑張りの証です。
でも、使う側から見れば、必要なのは自分の困りごとを解決してくれるたった1つの機能だけ。
Gfizzの場合、それは「NotebookLMのスライドをワンクリックで編集可能にする機能」でした。
他のどこにもない、唯一の機能です。
数を誇るより、たった1つの価値に集中する。
そう決めたら、気持ちがすっきりしました。
値段をつけるということ

月額980円にしました。
「高い」と思う人もいるかもしれません。
でも、この価格には意味があります。
980円は、自分の作業時間が月に1時間でも節約できるなら元が取れる金額です。
そして、その収益があれば、サーバー代を賄い、継続的にメンテナンスを続けられます。
「応援してください」ではなく、「価値に対する対価をいただく」。
その覚悟を持てたことが、一番大きな変化でした。
自分を安売りしない

これは開発の話だけではないと思います。
誰かに頼まれたことをタダで引き受ける。
「いいよ、無料で」と言ってしまう。
そうやって自分の時間や労力を安売りしてしまう場面は、日常の中にもたくさんあります。
適切な対価を求めることは、わがままではありません。
自分の仕事に敬意を持つことです。
そして、対価をいただくからこそ、責任を持って続けられるのだと思います。
自分の労力を安売りしない。
そう決めた日から、開発に向き合う姿勢が少しだけ変わりました。
ネットの世界では「労力」が見えにくい

ボタン一つで使えるツールの裏側に、何百時間もの開発時間があることを想像する人は少ない。
だからこそ、作る側が自分の労力の価値を自覚して、はっきりと示す必要があるのだと思います。
覚悟が、姿勢を変える

有料にすると決めたことで、作るものへの姿勢が変わりました。
「お金をいただく以上、中途半端なものは出せない」。
そう思うと、一つひとつの機能を丁寧に仕上げようという気持ちが自然と湧いてきます。
不具合があれば真剣に直す。
使い勝手が悪ければ改善する。
それは義務感ではなく、対価をいただくことへの責任です。
無料で出していた頃は、どこかに「タダだから、まあいいか」という甘えがありました。
覚悟を決めたことで、姿勢が変わった感覚があります。
これからも、自分の作るものに誠実でいたいと思います。

