自動化・AI開発

「良い投稿」をやめてみたら、サービスの輪郭が見えてきた話

Kanae

夜の23時を過ぎていました。
Mintor の利用ガイドを11ページ、上から順番に開いて、書いてあることと実装が合っているか1つずつ確認する作業をしていました。
地味な作業なんです。

最終更新が2月で止まっていたガイドだったので、ズレているところがそこそこあるだろうな、くらいの予想で始めました。

最初に開いたのは「はじめてのMintor」というページ。
「最初の1週間でやると良いこと」というセクションに、こんな項目がありました。

良い投稿にMintを送ってみる

なんとなく、引っかかりました。

「良い」って誰が決めるのでしょう

「良い」って誰が決めるのでしょう

良い投稿って、誰が決めるんだろう。
書いた本人?読んだ人?それとも世の中?

「良い」という言葉は、評価軸が外側にあります。
誰かが「これは良い」と判断して、ランクをつけて、その上位を選ぶ、みたいなニュアンスを持っています。

そういえば、Mintor で「Mintを送る」というのは、応援や感謝を伝える行為として作ったものでした。

応援したいから送る。
ありがとうと思ったから送る。

主体的な感情で誰かに何かを贈る、そういう設計です。

それなのに、ガイドの中では「良い投稿に送る」と書いていました。
評価して、ランク上位に贈る、みたいな読み方ができてしまう一文です。

微妙にズレているんです。

「応援したい投稿に送ってみる」に直してみました

「応援したい投稿に送ってみる」に直してみました

試しに「応援したい投稿やユーザーにMintを送ってみる」と書き換えてみました。

しっくりきました。

それからは、全ページに対して同じ視点で進めました。
「良い質問のポイント」を「伝わる質問のポイント」に。
「良い記事のコツ」を「伝わる記事のコツ」に。
「良い回答にはベストアンサー」を「役に立った回答にはベストアンサー」に。

「良い」を見つけたら、「応援したい」「役に立った」「伝わる」など、もっと主体的な言葉に置き換えていきました。
評価軸を外に置かずに、主語を、書いた本人や読んだ人に戻していく作業です。

ガイドの一文目で「エンジニア同士」と書いていました

ガイドの一文目で「エンジニア同士」と書いていました

別のページに進むと、コミュニティガイドラインに、こんな一文がありました。

Mintorは「エンジニア同士が支え合い、共に成長する」プラットフォームです

これも気になりました。

Mintor は「非エンジニアもエンジニアも、応援者も」が出会う場所として作ってきたサービスです。
私自身が非エンジニアで、エンジニアの優しさに助けられて、その人たちにお礼を返したくて始めたサービスでした。

それなのに、ガイドの一文目で「エンジニア同士」と書いていたんです。
書いた本人なのに、見落としていました。

「お互いに支え合い、共に成長する」に直しました。
それだけのことでした。

言葉は、サービスの文化を映す鏡なのかもしれません

ガイドを直す作業のはずだったんです。
実装と書いてあることが合っていないところを直す、それだけのつもりでした。

でも、終わってみたら、Mintor で何を大事にしているかが、自分の中でハッキリした感じがありました。

「良い」じゃなくて「応援したい」。
「エンジニア同士」じゃなくて「お互いに」。

たぶん、ずっと言いたかった言葉でした。
それがガイドという形で、ようやく出てきただけなのかもしれません。

言葉って、サービスの文化を作るというより、すでにそこにある文化を映し出す鏡みたいなものなのかもしれないなと思いました。
鏡が曇っていたら、文化もぼやけて見える。
鏡を磨くと、輪郭が出てくる。

これから、言葉をもう少し丁寧に扱おうと思いました

普段使っている言葉も、思い込んだまま使っているものがあるかもしれない、と思いました。

「良い○○」「正しい○○」「ちゃんとした○○」みたいな評価軸の言葉を、私自身、無意識に使っていないか。
それで誰かに「自分はそうじゃない」と感じさせていないか、振り返りたくなりました。

ガイドを直す作業は、サービスの言葉を直す作業でした。
でも、自分が普段使う言葉にも、同じ視点を持っていたいと思いました。

23時を過ぎて、棚卸しを終えました。
修正したガイドを開き直したら、文章は前より短くなっていました。
「良い」を消した分だけ、軽くなっていたのかもしれません。

ABOUT ME
かなえ
かなえ
個人開発を応援する非エンジニア
婚約破棄をきっかけに、29歳で未婚の母になると決めました。
不安と向き合いながら、10年かけて働き方を少しずつ作り変えてきた40代です。

AppSheetやGASを独学で覚え、いまはAIを使った個人開発を毎日続けています。
個人開発を応援する非エンジニアとして、等身大の試行錯誤や、子育て・自立・副業のことを、正直に記録しています。
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