「私はミントグリーンが好き」と、道具に言ってみた
夜中に、新しい道具を作っていました。
ライブ配信のコメントを声で読み上げてくれる、小さなChrome拡張です。
AIに頼んで組み立ててもらって、できあがった設定画面を開いたら、全体が紫色でした。
別に嫌いな色ではないんです。
でも、プルダウンを開いた瞬間に思ってしまいました。
可愛くないな、と。
それで、そのまま聞いてみました。
「なんでデフォルトで紫になるのかな? 私はパステルミントグリーンが好きなんだけど」
紫になった理由は、ちゃんとあった

返ってきた答えは正直なものでした。
ブラウザが勝手に決めたわけではなくて、AIが以前の私の道具と同じ色を選んだだけ、とのこと。
前に作った顔文字の道具が紫系だったので、それに合わせたそうです。
なるほど、と思いました。
過去の私を参考にしてくれたのは間違いじゃない。
ただ、聞いてくれたらもっとよかった。
そしてここからが、ちょっと面白かったところです。
AIは色を全部ミントグリーンに塗り替えたあと、自分のメモ帳にこう書き残していました。
「好きな色はパステルミントグリーン。
紫を勝手に既定にしない」
次に何かを作るときは、最初からミント色で出てくるはずです。
前は、人の色。今回は、自分の色

思い返すと、少し前にも色の話をしていました。
コメントを保存する別の道具を作ったとき、使ってほしい人がターコイズブルーを好きだったので、その色を足したんです。
あのときは、人の好きな色のために手を動かしました。
今回は、自分の番でした。
自分の好みって、わざわざ言葉にする機会があまりありません。
家族や古い友人は、長い時間の中でなんとなく覚えてくれます。
でも道具は、言わなければずっと知らないままです。
逆に言えば、一度言葉にすれば、ちゃんと覚えてくれる。
「私はこれが好き」と口に出すのは、思っていたより悪くない気分でした。
好みは、言っていい

仕事でも暮らしでも、「どっちでもいいですよ」と言ってしまうことがよくあります。
相手に決めてもらった方が早いし、角も立たない。
でも、どっちでもいいと言い続けていると、世界は誰かの既定値でできあがっていきます。
紫のままでも道具は動きます。
動くけれど、開くたびに少しだけ「私のものじゃない」感じがしたと思うんです。
好きな色を言ったら、道具が私の色になりました。
それだけのことですが、これからは聞かれる前に言っていこうと思っています。
私はパステルミントグリーンが好きです。

