受け取れないお金が、宙ぶらりんになっていた話
自分の作っているアプリには、応援の気持ちをお金で送れる仕組みがあります。
誰かの投稿に「ありがとう」を、少しのお金にして渡せる。
そういう機能です。
今日、その仕組みに穴があることが分かりました。
送ったお金が、受け取る人のところまで届いていなかったのです。
正確に言うと、受け取る人の「残高」には届いているのに、そこから本人の銀行口座へ動かす手段が、まだ作られていませんでした。
✦ 数字の向こうに、人がいる

開発をしていると、つい「データ」として見てしまいます。
残高、件数、ステータス。
画面の中の数字です。
でも今日、その数字の一つが、実在する人でした。
ある人が、応援を受け取っていました。
金額にすると、たいした額ではないかもしれません。
でもその人は、それを自分の口座に動かす方法を持っていませんでした。
本人の画面に「出金」ボタンは無く、運営である私が手を動かさない限り、ずっと宙ぶらりんのままだったのです。
しかも、それは今日始まったことではありませんでした。
送られた日から、ずっとその状態だったのです。
✦ 作る責任は、届くところまで

応援を「送れる」ようにするのは、楽しい部分です。
ボタンを置いて、気持ちが動く瞬間を作る。
でも、送ったあとに「ちゃんと届く」ところまでが、本当は一つの仕事でした。
私は前半だけ作って、後半を作りそびれていたのだと思います。
送られたお金が、ちゃんと相手に届くこと。
ここが抜けていたら、その仕組みは「送れるふり」をしていただけになります。
今日は、その後半を作りました。
受け取る人の手間をかけずに、一定の期間が過ぎたら自動で本人の口座へ届くようにする仕組みです。
テストの環境で、実際にお金が動いて、残高が減るところまで確かめました。
✦ 宙ぶらりんを見つけられたこと

正直に言うと、穴があったこと自体は、あまり気持ちのいい話ではありません。
受け取れずにいた人がいた、という事実は残ります。
それでも、今日それに気づけたことは、よかったと思っています。
気づかないまま「送れます」と言い続けるより、ずっといい。
ものを作るというのは、たぶん、こういうことの繰り返しなんでしょう。
楽しい入口を作って、しばらくしてから「あ、出口が無い」と気づいて、慌てて作る。
完璧な最初なんて無くて、気づいたところから直していく。
宙ぶらりんだったお金を、ちゃんと届ける。
そのスイッチを入れるのは、もう少し先になります。
相手にも都合があるし、急ぐ話でもないからです。
でも、届ける仕組みはもう、ここにあります。

