自動化・AI開発

真実が 2 つあると、必ずどっちかが取り残される

Kanae

深夜、自作の動画エディタに「BGM を複数曲使えるようにしたい」と頼んでいました。

オープニング、本編、エンディングで曲を切り替えたい。
Filmora ではあたりまえの操作です。

実装が進んで、データの形を変える必要が出てきました。
古い形は「BGM ファイル名を 1 つ持つ」、新しい形は「セグメント(時間範囲つき)の配列を持つ」。

一気に書き換えると、コードのあちこちが壊れます。
だから過渡期として、両方の形をデータに持たせることにしました。
「古い形」も残しつつ「新しい形」を追加。
コードは少しずつ「新しい形」を読むように移行していく。

書きながら、ある瞬間に音が鳴らなくなったんです。

調べたら、原因はシンプルでした。

「古い形」と「新しい形」が、ズレていました。

ユーザー(私)が古いインスペクタで BGM を変更したとき、古い形の方だけ更新されて、新しい形は古いまま取り残されていました。
プレイヤーは新しい形を読んでいたので、消えたファイル(古い形に書き換える前の名前)を再生しようとして、音が出ない。

真実が 2 つあると、必ずどっちかが取り残される」。

それが、データ構造の話でした。

「乗り換え期間中はどっちが優先か明示する」

「乗り換え期間中はどっちが優先か明示する」

データの問題に戻ります。

直し方は、思ったよりシンプルでした。

「乗り換え期間中は、明示的にどっちが優先か決める」。

過渡期は古い形を優先する。
コードのほとんどは古い形を読み続ける。
新しい形は静かに準備しているだけ。

そして、新しい形を編集する UI が完成した瞬間に、優先順位を逆転する。
これ以降は新しい形が真実、古い形は読まれなくなる。

切り替えのタイミングをコードのコメントで明示して、後から見ても「ここが切り替えポイントだ」と分かるようにする。

明示的な切り替えがないと、両方ダラダラ続いて、どっちかが必ず取り残されます。

「縦に積みたい」という言葉が、設計を変えた

「縦に積みたい」という言葉が、設計を変えた

別の場面でも、「言葉にする」ことの効果を感じました。

タイムラインに 2 つ目の BGM セグメントを追加したとき、最初は時間軸上に横並びで表示されました。
理屈的には正しい。
同じトラック上の異なる時間帯にあるセグメントです。

でも私の頭のモデルは違いました。
Filmora の複数音声トラックは、縦に積んだ別々のレーンで扱います。
私はそれが普通だと思っていた。

「私の理想は縦に追加だと思ってた」と伝えました。

数分後、各セグメントが縦に並ぶ形に変わっていました。

これ、私が言葉にしなければ気づかれなかったことです。
AI は理屈で動くので、最初の設計は理屈的に正しい。
でも私が毎日使う道具なので、私の頭のモデルと一致してないと、毎回違和感を感じます。

その違和感を「私の理想は」と言葉にすると、即座に作り直してくれる。

言葉にすると、世界が動く

言葉にすると、世界が動く

データ構造の話でも、UI の話でも、共通点は同じでした。

「これは違う」「私はこう思ってた」を、言葉にする

言葉にしないと、違和感は心の中でモヤモヤと続きます。
「なんか変」「なんとなくしっくり来ない」のまま、解決されない。
でも言葉にすると、相手(人でも AI でも)が動ける。

仕事の依頼でもそうです。
「いい感じに」より「左寄せで、フォントは 14pt で、行間は 1.5 で」の方が、相手が早く動ける。

道具を作っていると、こういう言葉の精度が、毎日試されます。

「正しい言葉を出せば、世界が動く」。

そういう感覚を、何度も味わった夜でした。

ABOUT ME
かなえ
かなえ
個人開発を応援する非エンジニア
婚約破棄をきっかけに、29歳で未婚の母になると決めました。
不安と向き合いながら、10年かけて働き方を少しずつ作り変えてきた40代です。

AppSheetやGASを独学で覚え、いまはAIを使った個人開発を毎日続けています。
個人開発を応援する非エンジニアとして、等身大の試行錯誤や、子育て・自立・副業のことを、正直に記録しています。
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