婚約破棄された私が気づいた『守られる働き方』 ―日雇い・短期・派遣から、正社員×副業で自由な私へ―


あなたには“理想の働き方”がありますか?
多様な働き方がありますが、私は『正社員×副業』を選びました。
この働き方に至るまでに、散々迷走した経験をお話しします。
働き方に迷っている方のヒントになればうれしいです。
正社員という“理想”が、私には現実じゃなかった
「正社員にならなきゃ」
「それが“ちゃんとした大人”ってことだよね?」
そんな思い込みに縛られていた20代前半の私。
でも、現実は…新卒で入社した会社を、たった2ヶ月で辞めてしまいました。
5月。ゴールデンウィークが終わっても、もう出勤する気力がなかったんです。
「私には向いてない仕事だったんだ」と、
別の会社で正社員として働き始めますが、こちらも3か月で退職…
最初は「逃げた自分」が恥ずかしかったけど、だんだんと思考が変わりました。

正社員って、実は一番搾取される立場じゃない?
安い固定給で長時間拘束されて、残業しても報われない。
それに比べたら、もっと自由な働き方があるかもしれない——。
それからは、フリーターとして生きる日々。
迷って、逃げて、繰り返したフリーター生活
当時の私は、日雇い・短期バイトを転々としていました。
知らない人たちと一緒に、朝も暗いうちから詰め込まれたバンで、小さな工場へ向かい、重たい紙束を機械に入れるだけの作業。
真冬の路上で48時間、交通量をカウントしたこともあります。
作業内容を知らされずに防寒対策をしていなかった私は、寒さで手が震えて、交代で作業をしていた誰かが見かねてカイロをくれました。トイレは近くのコンビニ。
飲食店のアルバイトもたくさんしました。
でも、店長に怒られたらすぐ辞める。お客様にきつく言われたらすぐ辞める。既に人間関係ができあがっている職場に馴染むのが苦手で、「なんか違うな」と思ったらすぐ辞める。
まだ関係が構築されていない、オープニングスタッフの求人ばかりを探していました。

楽な道を選んでいたわけじゃない。
合わない環境に無理して居続けるほうが、私にはつらかった。
安定を求めて派遣社員に。でも心はどこか不安定なまま
安定しない日々に不安を感じて、ようやく派遣会社に登録して働き始めました。
月々の給料はなんとなく安定し、仕事も“まとも”に見えたかもしれません。
けれど、そこでもやはり半年もせずに退職することになりました。
その後も、同じ派遣会社で別の会社へ、あるいは別の派遣会社からまた別の会社へと派遣を繰り返す日々。
自分自身に「何をしても続かないダメ人間」とがっかりする気持ちが募っていきました。
周りの同世代は社会に溶け込み、同期との週末飲み会で仕事の愚痴を言い合う姿すらうらやましく感じ、「私だけこんなにかっこ悪い人生なんて嫌だ!」という思いが強くなる一方でした。
そんなとき、「そうだ、海外に行こう」と思いつき、当時格安留学として話題になっていたフィジーへの留学を決意しました。
初めての海外、準備期間はわくわくしていました。
しかし、明確な目的も目標もなく、ただ「逃げる理由」をかっこよく見せかけるために留学した私は、現地でも何をするでもなく、だらだらと過ごす日々を送ることになりました。
結果的に、日本人とばかり過ごして、すべてが中途半端なまま帰国することになり、再び派遣社員に戻りました。
「私、何をやってるんだろう…?」
そんな思いが、心の片隅にずっと残り続けていました。
未婚の母になって気づいた、「守られたい」という気持ち
そして、婚約破棄。
想像もしていなかった「未婚の母」という立場に、私は立つことになりました。
未婚の母として生きていく決意をした私は、働き方以前に、生きることそのものに向き合う日々。
子どもが生まれて、毎日が必死でした。
でも、ある日ふと思ったんです。
「このままじゃ、子どもに胸を張れる人生を送れないかもしれない」
「子どもは私が守る。でも私は?安定した職場も、安心できる制度も、何もない」
フリーターや日雇いの働き方では、すべてが“自己責任”。
派遣社員もクライアント企業から急に切られるなんて日常です。
「何があっても、自分で何とかしなきゃいけない」
そんなプレッシャーを、ずっと背負い続けていました。
正社員になれなかった自分。
何をしても続かない自分。
でも、だからといって何もしないのは違う。
少しずつ、静かに「自分らしく働く」道を模索し始めました。
傷病手当金が教えてくれた“社会に守られる”ということ
体調を崩して働けなくなり、初めて傷病手当金という制度を知り、実際に支給されたときは、涙が出そうになりました。
「ああ、私、守られてる…」
「きちんと制度を知って、自分が動けば、誰かが支えてくれることもあるんだ」
それは、私の中の「正社員=搾取」という考えを変えるきっかけになりました。
「保障されることは、悪いことじゃない」
「私も、“正社員”になりたい」
そう思えたのは、初めてだったかもしれません。
振り返れば、遠回りばかりしてきたけれど、無駄だったことなんて一つもありませんでした。様々な職場や雇用形態を経験したからこそ、私は大切なものを得ていたのです。
- どんな職場でも適応できる「対応力」
- はじめての環境でもすぐに動ける「即戦力」
- 人と接することへの「柔軟性」
- そして、何度でも立ち上がる「しぶとさ」
でも同時に、「守られない働き方」で生きることの厳しさも、痛いほど経験してきました。
派遣、単発、日雇い、アルバイト…。
働く場所だけでなく、雇用主もコロコロ変わる日々。
怪しい求人だとわかっていても、「今月の生活費を稼がなきゃ」という焦りから、思わず応募してしまうこともありました。

「ちゃんと家に帰してくれるのかな」と思った経験は一度や二度ではありません。
そんな経験を経て今、私は「守られながら働くこと」の大切さを実感しています。
社会保障の重要性と、安定した雇用がもたらす安心感の価値を、身をもって知ることになったのです。
社会に守られる安心感は、人生の土台を整えてくれる力があります。
守られながら、自由に働くという選択
現在の私は、正社員として社会保険の恩恵を受けながら、副業で複数のクライアントと契約し、個人事業主としても活動しています。
両立することで得られるメリットはたくさんあります。
- 経済的にも、精神的にも不安が減った
- 一つの会社に縛られず、得意なことを活かせる
- 挑戦することで、新しいスキルを得られる
- 得たスキルが本業にもほかの副業にも活かせる
- 働き方を「自分で選んでいる」という実感がある
もちろん、最初からすべてを両立するのは簡単ではありません。
けれど、たとえ今は難しくても、将来の選択肢として「守られながら自由に働く」というスタイルを頭の片隅に置いておくことは、とてもおすすめです。
心と体に無理のない範囲で、少しずつ準備していけばいいのですから。

“守られながら働くこと” と “自分らしく自由に働くこと”は、両立できる。
今の私は、そう胸を張って言えます。
おわりに:働き方に“正解”はない―自分らしい道を選んでいい
もし今、あなたが…
- 正社員になれない自分を責めている
- フリーターや非正規の働き方に不安を感じている
- 自由に働きたい気持ちと、安定を求める気持ちの間で、立ち止まっている
そんなふうに感じているのなら、伝えたいことがあります。
あなたにも、あなたの“生き方”があります。
遠回りも、迷いも、すべてがあなたを形づくってくれる大切な時間です。
私自身、体調を崩したときに傷病手当金を受け取った経験が、「正社員としての安定」を選ぶきっかけとなり、正社員として働くことで得られる安心感が、どれほど力になるかを実感しました。
でも、それがすべての人にとっての“正解”だとは思っていません。
人の数だけ働き方があり、大切にすることも人それぞれです。
- アルバイトやパートで自分の時間を大切にしながら働く
- フリーランスとして自分らしい働き方を追求する
- 正社員として安定を得ながら、副業でスキルや可能性を広げる
- 起業して自分の会社を作り、社会貢献しながら利益を追求する
働き方に優劣なんてありません。
私がフリーターや派遣として働いていた頃に感じた不安は、
その働き方が悪かったのではなく、リスクやセーフティネットを十分に知らなかったからかもしれません。
大切なのは、どんな働き方を選ぶにしても、「万が一のとき、どう守られるのか」を知っておくこと。
社会保障制度にせよ、貯蓄や保険にせよ——
自分に合った「守られ方」を選ぶ権利は、誰にでもあります。
私たちは社会の中で生きています。
誰もが時に弱さを見せ、時に支えを必要とする。
その当たり前のことに気づけたのも、傷病手当金が教えてくれた「社会に守られる」という経験があったからこそです。
制度に頼ることは、弱さではなく、生き抜くための知恵です。
あなたにも、社会に守られる権利があります。
遠回りも、迷いも、すべてがあなたの糧になります。
どんな選択をしても、それはきっと未来のあなたを支える力になるでしょう。

焦らなくて大丈夫。
どんな働き方でも、あなたらしく、胸を張ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
このブログでは、これからも私の経験から学んだことをお届けしていきます。
少しでもお役に立てたら嬉しいです♪
また次回の記事でお会いしましょう!